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循環器科は胎児期からの先天性心疾患をはじめ小児に関わる全ての循環器疾患を対象に診療を行っています。循環器科では宮城県内だけではなく、東北各地からの紹介患者さんを診療しており、年間約300件を超えるカテーテル検査・治療数は国内でも有数な施設の一つです。当院は日本小児循環器学会認定修練施設として、心房中隔欠損症に対するカテーテル治療や動脈管開存症に対するカテーテル治療の認定施設として治療を行っています。また、日本胎児心臓病学会の胎児心臓超音波専門施設にも認定されています。

入院検査について

カテーテル検査は3泊4日の入院期間で行います。検査入院の流れは以下になります(検査入院)。また、治療入院の場合には4泊5日になります。金曜日に入院の場合は外泊が可能な場合があります。詳細は入院案内をご参照ください。検査に関わる費用に関しては以下をご参照ください。
入院の費用

MRI検査も原則10歳以下のお子さんは静脈麻酔による鎮静下で行なっています。そのため検査当日に入院手続きの上、入院後に検査を行います。静脈麻酔を行う場合には検査前に食止めが必要になりますので、当日の食事に関しては主治医にご確認ください。

施設認定

  • 日本小児循環器学会認定専門医修練施設
  • 胎児心臓超音波検査専門施設
  • ASD(心房中隔欠損症)閉鎖栓施行施設
  • PDA(動脈管開存症)閉鎖栓施行施設

先天性心疾患

心室中隔欠損症

生まれつきの心疾患で最も頻度の高い病気で欠損の位置と大きさで経過が異なります。欠損孔が小さなものは自然閉鎖が期待できますが、欠損の大きなものでは乳児期から症状が出て早期の手術が必要となる場合があります。

心房中隔欠損症

心室中隔欠損と異なり小児期には症状が出にくい疾患ですが、欠損孔の大きいものは治療適応に応じて就学前に治療を行っています。最近は半数以上の例でカテーテル治療が可能となってきています。

動脈管開存症

出生後間もなく閉じるはずの管が残る病気ですが、血液の漏れ(シャント)が多いものでは早期に症状が出る可能性があります。新生児期をこえるとカテーテルで治療できることが多い病気ですが手術が必要になる場合もあります。

ファロー四徴症

チアノーゼが出る代表的な疾患です。生後に肺血流のバランスをとるための手術が必要となることがあります。肺動脈の成長の程度によっては乳児期に短絡作成術を行い、心内修復手術は少し大きくなってからで、体重7から10 kgを目安に行います。

肺動脈閉鎖症

心室中隔欠損を伴う場合と伴わない場合で経過が大きく異なります。伴わない場合は3回がかりで2才頃のフォンタン手術をめざすことになります。

完全大血管転位症

生後すぐにチアノーゼと心不全が出る病気ですが、術前の条件が良い場合には出生後の早期に大血管スイッチ手術(ジャテン手術)を行います。

総肺静脈還流異常症

新生児期からチアノーゼの出る病気で見つかるとすぐに修復手術を行うことが多い疾患です。術後に修復部が術後狭窄をおこしてくることがあり、再手術が必要となることがあります。

後天性心疾患

急性心筋炎

ウィルス感染によるものが最も多く、ふつうの夏風邪をひいた後等に心不全症状が出現して診断がつきます。重症例では生命の危険がありますが、急性期をのりきると心機能が改善することが多い疾患です。

心室期外収縮

小児期には最も頻度の高い不整脈で大半のものは治療の対象になりません。期外収縮が連発するものや運動で誘発される場合には治療適応になる場合もあります。

川崎病性冠動脈瘤

川崎病の合併症としておきる冠動脈瘤は今日ではきちんと管理をすると突然死のリスクもほとんど無くなりましたが、定期的な経過観察や検査は必要です。

2022年

外来初診患者数 211名
心臓カテーテル検査件数 294件
(その内、カテーテルインターベンション件数) 109件(心房中隔欠損症 26件、動脈管開存症 7件)

 

2021年

外来初診患者数 177名
心臓カテーテル検査件数 318件
(その内、カテーテルインターベンション件数) 106件

 

よくある質問とその答え

入院につきそうことができますか?

循環器科病棟に入院する場合には原則付き添っていただいています。

循環器病棟に個室はありますか?

循環器科の患者さんのほとんどは心臓血管外科の患者さんと同じフロアでの入院になります。生まれたばかりで循環が不安定な患者さんや医学的理由で個室に入院される患者さんもいます。カテーテル検査のみの入院の場合には4人部屋に入院になることが多いです。

新生児:生後先天性心疾患が見つかり、家ではふつうどおりで良いと説明されていますが、泣かせたままにしていても大丈夫なものでしょうか。

いわゆる発作をおこす疾患でなければ(その場合は通常主治医から説明されると思います)、常識的な範囲で泣かせたままでも大丈夫です。あまり泣かせないように神経質に育児をするとそれが習慣になってわがままな児にしてしまう心配もあるかもしれません。

乳児:心臓に小さな穴が空いているので虫歯にだけは注意と言われていますが、具体的にはどうすれば良いのでしょう。

先天性心疾患の多くがそうですが、たとえ軽症の心室中隔欠損であっても血流の乱れを生じる箇所で心内膜が損傷して菌が付着しやすくなると言われています。菌が心内で増殖すると、感染性心内膜炎という大病になる可能性があります。特に虫歯を放置して奥深くまで感染するとその処置などの際に菌が血液中にばらまかれることがあり、菌付着の原因となります。歯が生えはじめたら歯科での定期検診をお勧めしています。

小学生:ときどき心臓のあたりをおさえて強い痛みを訴えます。おさまるとけろっとしているのですが、心臓が悪いのでしょうか。

他に全く随伴症状が無く短時間に胸だけを痛がる場合はほとんどが心臓病では無く特発性胸痛といわれるもので心配ありません。ただし稀に肺がパンクする病気(気胸)が見つかったりすることもあるため、心配な場合は近医受診をお勧めします。

中学生:乳児期に心臓手術を受け現在外来通院中ですが、修学旅行で飛行機に乗っても大丈夫でしょうか。

大半の心臓病では問題となりませんが、飛行機内は路線にもよりますが気圧が少しだけ低めになり、万が一具合が悪くなったときもすぐには病院に行けないため、高度チアノーゼの患者さんや高度肺高血圧の患者さんでは主治医の同伴ないし許可が必要となり航空会社に届け出もしなければなりません。

高校生:現在こども病院通院中ですが大人になったらどうなるのでしょう。

心臓病の患者さんも大人になると動脈硬化の問題や成人病として糖尿病高血圧など様々な内科的な問題が生じてきて小児科医の苦手な分野の専門家が必要となります。こども病院では18才になった時点で東北大学病院の小児科に移行し、その後に循環器内科の「成人先天性心疾患外来」へ移行しています。当院では2020年から移行期支援外来を開設し、安心してスムーズな移行ができるような支援を行っています。

主な関連学会

循環器科では2019年より当院の救急車を使用した近隣県への迎え搬送を始めました。対象患者さんは状態が比較的安定しているものの、酸素投与や点滴治療の継続が必要な患者さんになります。搬送の詳細に関しては担当者(木村)にお問い合わせください。

小澤 晃 
(おざわ あきら)

職名 科長 兼 循環器センター副センター長
診療領域
専門領域
小児循環器、カテーテルインターベンション
資格等 日本小児科学会認定 小児科専門医・指導医
日本小児循環器学会 小児循環器専門医

新田 恩 
(にった めぐみ)

職名 部長

川合 英一郎 
(かわい えいいちろう)

職名 部長 兼 循環器センター

大軒 健彦 
(おおのき たけひこ)

職名 部長

星 菜美子 
(ほし なみこ)

職名 医師

佐藤 大二郎 
(さとう だいじろう)

職名 フェロー

八木 耕平 
(やぎ こうへい)

職名 フェロー

 

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