基本方針
成長・発達期である小児の特性を踏まえ、治療に効果的で安全・安心な食事の提供や栄養相談を行っています。また、医師、歯科医師、看護師を始め多職種と連携した栄養サポートチーム(NST)業務を通じ、個々の患者さんにより質の高い栄養サポートの実現を目指しています。
業務内容
- フードサービス
- クリニカルサービス
- 臨地実習
業務委託を採用し施設側職員と委託側職員が協働で業務を行っています。
(1)入院患者食業務
入院中の患者食は、医師の食事せんに基づき電子カルテより部門システムにオーダされ提供しています。
食事の種類については、疾患およびライフステージ別、食形態別に分かれ94種類あり、1回の提供食数は120食を提供しています。
また、平均在院日数(約11日)を考慮し28日周期のサイクルメニューを採用し、さらには季節の食材と行事を取り入れ、患者さんのQOL向上や退院後の食生活の改善にもつながるようなサポートができるよう努めています。
1.食事の提供時間
食事区分 | 配膳時間 |
---|---|
朝食 | 7時30分 |
午前おやつ | 10時00分 |
昼食 | 12時15分 |
午後おやつ | 15時00分 |
夕食 | 18時00分 |
夜食(産科のみ) | 20時00分 |
粉乳食※ | 13時30分 |
※粉乳食は、1日分を1日1回配乳
2.食事の安全性
大量調理施設衛生管理マニュアル(厚労省通達)に基づいた食事の提供
食材の搬入、保管、下処理、調理、盛りつけ、配膳、下膳、洗浄、清掃から温度管理、時間管理など、危害が起こりうる工程を分析し、特に注意を払うべきポイントとなる重要管理点についてチェック、記録を行っています。
また、調理に携わる従業員の衛生管理については、研修会を実施し、安全衛生に努めています。
食物アレルギー問診票による安全の確保(食物アレルギーの対応)
食物アレルギーの有無を入院オリエンテーション(外来)の際に問診票で確認し、電子カルテシステムに情報を入力しています。この情報は、栄養管理部門システムへ連動される仕組みとなっており、安全性を確保しています。
待ち食の提供
検査等の理由で通常の食事時間に食事を取ることが出来ない患者さんのために、食品衛生を考慮し、「待ち食」を提供しています。
提供する時間帯は、午前および午後のおやつ、夜食の配膳時間です。
吐物等により汚染された食器等(哺乳瓶など)の取り扱い
吐物などが付着した食器の下膳については、食器トレーごと大きなビニール袋で包んだ後、滅菌依頼伝票にて中央材料室へ依頼する運用となっています。
3.入院中の食事
リクエスト献立の実施
四半期に一度の割合で患者さんにアンケート形式で食べたい料理の聞き取り調査を実施し、リクエスト数の多い上位1位から3位までの料理を「患者さんのリクエスト」と称し毎月提供しています。
リクエスト内容については、ラーメン、パスタ等の麺類のリクエストが多い傾向にあります。
選択食の実施
血液腫瘍科など長期入院となる患者さんを対象に食事の楽しみと自ら選んで食べられる食事として、月に1回2種類の定食から選択する「選択食」と月に2回3種類のおやつから選べる「セレクトおやつ」を提供しています。
出産お祝い膳
出産後のお祝いの気持ちをこめて「お祝い膳」をお出ししています。
4.食事に関する調査
嗜好調査
年1回、食事に関する調査(満足度等)を実施し、その結果を入院患者食に反映させています。
喫食調査
喫食量を調査することで、患者さんの嗜好に対する傾向を把握し、新規メニューの立案や既存メニューの改善に役立て患者さんの満足に貢献することを目的に、年に数回実施しています。
(1)栄養相談業務
栄養療法の理解を深め、家庭での実践をサポートするために医師の処方により栄養相談を実施しています。
個人で行う相談
肥満症、炎症性腸疾患、腎疾患、膵炎・脂質異常症、胃瘻からのミキサー食、離乳食の進め方など。
集団で行う教室
調理見学ツアー
主に、在院日数が長期になる患者等を対象に、実際の調理風景を見学することで病院食に興味を抱きひいては摂取量の増加を図ることを目的に実施しています。
イベント給食
午後の補食の時間を利用し能動的に食事を選択する機会を与えることにより食事への関心やQOLの向上に寄与することを目的に実施しています。
バイキング給食
食事を選択する楽しみを感じることで長期入院によるマンネリしがちな食事への関心や、満足の向上につながる機会となることを目的に実施しています。
(2)NST(栄養サポートチーム)
2014年4月、医師、歯科医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、リハビリテーションスタッフ、歯科衛生士など多職種によるチーム活動として設立しました。このチームは、入院時および入院中の患者さんの栄養状態の確認を行いながら、特別な栄養管理が医学的に必要と判断される患者さんに、詳細な栄養評価に基づいて摂食機能および食形態を考慮した栄養管理を実践しています。
栄養士・管理栄養士養成施設の実習生を受け入れています。
東北で唯一の小児専門病院であるため、その特色を活かした内容としています。また、実習終了後には“病院の栄養士になりたい!”と思ってもらえるようなカリキュラムを目指しています。
スタッフ紹介
- 部門長(医師)1名
- 副部門長(医師)1名
- 技師長(管理栄養士)1名
- 管理栄養士 4名
所有資格(管理栄養士のみ)
- 病態栄養認定管理栄養士
- 糖尿病療養指導士
- 静脈経腸栄養(TNT-D)管理栄養士
- NST専門療法士
- 日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士