概要
リハビリテーション・発達支援部は、理学療法(12名)・作業療法(7名)・言語聴覚療法(5名)の3部門で構成されています。
- 理学療法
- 作業療法
- 言語聴覚療法
理学療法(physical therapy : PT)
理学療法は、運動機能や呼吸機能などの身体機能に介入します。姿勢保持や運動を通して、成長・発達を促し、日常生活活動を拡げるお手伝いをしています。
本館ではNICUの赤ちゃんや、PICU・一般病棟での様々な医療管理の中で理学療法を行います。また、本館と拓桃館で連携し、急性発症期から回復期、さらに在宅移行支援を実施しています。
拓桃館では、親子入院、整形外科手術、脳性麻痺や二分脊椎症などのさまざまなリハビリニーズに対応し、多職種と連携し理学療法を提供しています。
外来では、個々の発達課題や機能レベル、ライフステージに応じた理学療法、車椅子や座位保持装置といった補装具の作製など、環境面の支援にも関わっています。また、子育て支援や、園・学校生活など社会参加に向けて関係機関との連携にも取り組んでいます。
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理学療法室1
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補装具
(車いす・座位保持装置・歩行器)
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理学療法室2
本館(NICU)
在胎32週未満および出生体重1,500g 未満で生まれた赤ちゃんや、出生直後から様々な治療を必要とする赤ちゃんに介入しています。
介入内容
- 発達評価
- ポジショニング
- 発達支援
- 哺乳支援
- 呼吸理学療法
- 在宅移行支援
- 退院後も発達フォローアップを実施
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本館(PICU・一般病棟)
- 術後や急性発症後の集中治療の中での早期リハビリテーション
- 呼吸器疾患・合併症に対する呼吸理学療法
- 医療管理の中で、成長・発達を促す
- 血液腫瘍科の抗がん剤治療や骨髄移植後に生じた発達の停滞・体力低下・機能低下への介入
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拓桃館(親子入所)
姿勢・運動の発達支援
- 運動発達の促進
- 食事・遊びに向けて姿勢発達の向上
- ベビーラックやカーシートなどの姿勢調整
退院後に向けたサポート
- 生活の中でご家族が継続できるようにサポートします
- 退院時に文書でリハビリのポイントをお伝えします
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拓桃館(3階病棟)
病棟や学校での生活を送りながら長期入院する児にOT/STや他職種と連携しながら介入しています。
介入内容
- *脳性麻痺児、二分脊椎症等の理学療法
- 就学準備のための環境調整
- 小児整形外科疾患の理学療法。(ペルテス病の保存療法や股関節脱臼・骨系統疾患に対する術後療法。創外固定器による延長・矯正中も含む。)
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主な対象症例
- 中枢神経疾患
脳性麻痺、水頭症、急性脳症・脳炎、脳出血、脳梗塞、脳腫瘍、脳奇形、小頭症、難治性てんかん、てんかん性脳症 - 脊髄性疾患
二分脊椎症、脊髄空洞症 - 末梢神経疾患
ギラン・バレー症候群、急性散在性脳脊髄炎 - 神経筋疾患
デュシェンヌ型筋ジストロフィー症、筋緊張性ジストロフィー症、福山型筋ジストロフィー症、先天性ミオパチー症、脊髄性筋萎縮症 - 染色体異常
ダウン症 13トリソミー、18トリソミー 他 - 奇形症候群
- 先天性心疾患
- 外科疾患
- 呼吸器疾患
急性肺炎、気管支喘息 - 血液腫瘍疾患
急性リンパ性白血病 - 早産低出生体重児
- 整形外科疾患
ペルテス病、股関節脱臼、大腿骨頭すべり症、先天性四肢奇形、先天性多発性関節拘縮症 - 骨系統疾患
骨形成不全、軟骨無形成症 - リウマチ疾患
若年性関節リウマチ、皮膚筋炎
作業療法(Occupational Therapy:OT)
作業療法は、身体以外にも、気持ちや考えることにも関わりをもつリハビリです。
日々の生活や遊び、園や学校生活を送る中でみられるお子さんや周り方の困り感に対し、個々に合わせた捉え方・関わり方・環境の準備・サポートへのお手伝いをします。
運動や物の操作、道具の工夫など目で見えることへの関わり以外にも、感覚や頭の中にあるイメージや学習の基礎など直接見ることができないことへの支援も行っています。
ご家族と共にこどもたちが、楽しくチャレンジし、成長してくれるお手伝いをするために、療法での活動や情報誌の作成などを行っています。
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作業療法室1
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評価室1
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感覚統合療法室1
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感覚統合療法室2
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親子室1
言語聴覚療法(Speech-Language-Hearing Therapy:ST)
言語聴覚療法は、コミュニケーションやことば、ほ乳や食べることに心配のあるお子さんを対象としています。
お子さんの発達を促すと共に、ご家族が楽しみながら子育てができるように支援しています。
ことばの明瞭さへの対応に加え、そのお子さんが「わかる」「できる」コミュニケーションの手段をご家族と一緒に考え、楽しくコミュニケーションできる機会を持てるようにしています。とくに、食事場面はお子さんが多くの発信をしており、ご家族との「コミュニケーションの時間」として大切です。食べることが上手になる支援だけではなく、お子さんからの発信を受け止め、大人側の希望も伝え、やりとりの中で折り合いをつけながら、楽しく食べられる物を増やしていく関わり方も大事にしています。
また、耳鼻咽喉科では、聞こえの検査を担当しています(2日/週)。
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言語聴覚療法室